ブランドの根幹にあるのは、徹底した素材へのこだわりと日本の職人技術への深いリスペクトだ。デザイナーの川久保玲が牽引し、モード・ファッションの第一線を走り続ける姿勢は、このメンズラインにおいても一切の妥協がない。肩肘を張らないリラックス感がありながら、背筋が伸びるような緊張感を併せ持つ。伝統的なスーツのルールを熟知した上で、あえて解体し再構築する手法は圧巻だ。
世界中のバイヤーやコレクターが熱視線を送る理由もここにある。クラシックな品格とアヴァンギャルドな感性。一見すると対立する二つの要素が、緻密な縫製によって見事なハーモニーを奏でている。