伝統的な行事であるからこそ、無意識のうちに陥りがちな指導の落とし穴が存在します。現場で見直すべき3つの典型例を挙げます。
1. 「大人が手を出しすぎる」一律の見本至上主義
展示した際の見栄えを優先し、目や口のパーツの貼り位置を保育者が指定したり、ハサミの切り損じを大人が新しく切り直してしまったりするケースです。子どもの作品がどれも均一な表情になってしまうのは、自己表現の機会を奪っている証拠です。パーツが顔からはみ出していても、逆さまについていても、子どもの意図を尊重することが表現力を伸ばします。
2. 発達に合わない用具の選定による意欲の減退
3歳児に細かい切り込みが必要な天の川を作らせたり、2歳児に細長い短冊への糊付けを求めたりすると、子どもは「できない」という挫折感を味わいます。道具の使い方(ハサミの持ち方、糊の適量)を1段階ずつスモールステップで経験できる課題設定が不可欠です。
3. 行事当日で完結してしまう「単発的な取り組み」
製作して笹に飾って終わり、ではなく、飾った笹が風に揺れる音を聞いたり、影を楽しんだり、降園時に保護者へ「ここを工夫したよ」と説明する時間を作ることが重要です。行事後の振り返りを含めたストーリー性を持たせることが深い学びにつながります。