東劇ビルのルーツは、1930年(昭和5年)に開場した大劇場「東京劇場」に遡ります。当時は歌舞伎や新派、戦後は大衆演劇や洋画ロードショーなど、日本屈指の興行の舞台として熱気にあふれていました。その後、建物の老朽化と機能高度化に伴い、1975年(昭和50年)に現在の複合オフィスビルへと建て替えが行われました。
建て替えによって誕生した地上19階・地下3階のビルは、上層階に松竹本社のオフィスを配し、3階に大型スクリーンを備えた映画館「東劇」を組み込んだ画期的な設計でした。演劇の殿堂としての記憶を継承しながら、近代的な複合ビルへと脱皮を遂げた歴史的背景は、半世紀を経た今も銀座の街並みに独特の風格をもたらしています。