予算10万円という激戦区で、群を抜く存在感を放つのが日・米・瑞を代表する3大巨頭だ。それぞれが異なる哲学を掲げ、この価格帯におけるベンチマークを打ち立てている。
スイス老舗のティソが放つ「ティソ PRX」は、1970年代のラグジュアリースポーツを現代に蘇らせた傑作。ケースからブレスレットへと流れるような一体型デザインは、光を浴びるたびに繊細なヘアライン仕上げが煌めく。最大80時間駆動のパワフルな自動巻きムーブメントを搭載しながら、10万円前後の価格を維持している事実はスイス時計界の驚異といっていい。
対するアメリカ発祥・スイス製造のハミルトンは、ミリタリーウォッチの金字塔「ハミルトン カーキ」シリーズで対抗する。無駄を極限まで削ぎ落とした視認性抜群の文字盤と、ラフに扱ってもビクともしないタフな設計。ヴィンテージの風合いを漂わせつつ、現代のビジネスカジュアルにも難なく溶け込む汎用性の高さが男心を掴んで離さない。
そして日本が誇るセイコーホールディングスの矜持を示すのが「セイコー プレザージュ」だ。日本の伝統美を宿したダイヤルは、光の角度によって息をのむような陰影を描き出す。自社製キャリバーによる確かな駆動精度と、職人技を感じさせる立体的なインデックスの配置。ドレスウォッチとしての品格において、同価格帯のスイス勢を圧倒する完成度を誇る。