日本国内のファンコミュニティにおいて、長年にわたり検証され続けてきたトピックの一つが「日本語吹き替え版における声優交代の真相」です。
初期のシーズン1からパトリックの独特な間の抜けた声義を完璧に構築したのは、大ベテラン声優の谷育子さんでした。アニメ『NARUTO -ナルト-』のチヨバア役などでも知られる名優であり、あのかすれた温もりと不可測なトーンは日本におけるパトリックのキャラクター像を決定づけました。しかし、2011年前後(シーズン8への移行期)を境に、バトンはかぬか光明さんへと引き継がれます。
この交代劇について当時、病気療養や降板を巡る様々な憶測が飛び交いましたが、実際の要因は「長期シリーズ化に伴う世代交代と声域への配慮」であったことが業界関係者の証言や当時のキャスティング経緯から明らかになっています。谷育子さんは1939年生まれであり、交代当時は70代を迎えていました。年々テンポが過激化し、叫び声や絶叫、甲高い奇声を多用するパトリックの激しいアフレコ演技は、声帯に多大な負荷を強いる過酷なものです。作品クオリティの長期担保と高齢キャストの健康維持を両立させるため、円満な形でかぬか光明さんへと世代交代が行われました。そのかぬかさんも、谷さんのニュアンスを深くリスペクトしつつ、パワフルで愛嬌のある新世代のパトリックを見事に定着させています。
原語版(米国)では、大柄な男性俳優のビル・ファッガーバッケ(Bill Fagerbakke)が一貫してパトリックを演じ続けており、その低音で響く陽気な声が世界共通のシグネチャーとなっています。
さらに見逃せないのが、パトリックを単独主役に据えたスピンオフアニメ『パトリック・ショー(The Patrick Star Show)』の展開です。本国で2026年にスタートしたこのシリーズは、パトリックが実家で風変わりな家族とともに即興のトークバラエティ番組を運営するという、メタフィクション全開のシットコム。日本国内においてもParamount+(J:COMやWOWOW、各種配信プラットフォーム経由)などを通じて順次配信・放送が行われており、従来の本編以上にナンセンスで実験的なギャグが国内外のファンを沸かせています。