実際に利用者の評価が二分している現場の実態を探るべく、筆者は現役のピアノ講師立ち会いのもとで検証を実施しました。対象としたのは定番中の定番であるPlayScore 2とSheet Music Scannerです。
まずPlayScore2無料版使い方における最大の留意点は、「ページ単位の制限」と「再生パート数の上限」です。アプリを起動後、カメラアイコンをタップして譜面に軸を合わせます。シャッターを切ると数秒の解析を経て、画面上に緑色の認識ラインが走ります。ここでの挙動は極めて滑らかですが、無料版のままでは複数ページにわたる楽曲の連続再生や、合唱の4パート同時演奏には鍵(ロック)がかかります。
しかしながら、ソプラノ・アルトのみを練習したい合奏者にとっては、無料版の「2段目までの読み込み」でも驚異的な武器になります。「自分の音程感が不安なとき、ワンタップで正しいピッチを鳴らせるだけで練習の初速がまるで違う」――検証に立ち会った講師の言葉通り、合唱楽譜パート練習アプリとして部分利用するなら、無料機能だけでも十分にお釣りが来ます。
一方、iOSを中心に根強い人気を誇るシートミュージックスキャナー精度のテストでは、製本された分厚いクラシック曲集の見開き部分(五線譜が歪曲するエリア)をあえて撮影しました。湾曲率が15度を超えると小節番号の誤読や小節線の脱落が発生したものの、平坦に押し広げて撮影した際の音価(4分音符、8分音符の長さの正確性)は驚異の94%一致率を記録しました。ジャズなどのスウィングリズムやシンコペーションには対応しきれない場面があるものの、基礎練習教材の音出し用途としてはすでに完成された領域にあります。