三角比の表や電卓を使わずとも、特定の角度を持つ直角三角形であれば、小学生や中学生でも暗算で解ける「特別な比率」が存在します。定規のセットに入っている2種類の三角定規の形を思い浮かべてみてください。この2つの形状だけは、辺の比率を完全に暗記しておくことが実務・学習の双方で絶対的なアドバンテージをもたらします。
1つ目が30度60度90度の比率です。正三角形をちょうど真ん中で半分に割った形状であり、辺の比率は必ず「1:2:$\sqrt{3}$」になります。ここで重要なのは比率の対応関係です。
・30度の角が向かい合う最も短い辺(高さ):1
・直角の向かい側にある斜辺:2
・60度の角が向かい合う中間の辺(底辺):$\sqrt{3}$(約1.732)
斜辺が最も短い辺のちょうど「2倍」になるという性質さえ把握していれば、最短の辺が 5cm なら斜辺は一瞬で 10cm、底辺は $5\sqrt{3}\text{cm} \fallingdotseq 8.66\text{cm}$ と導出できます。
2つ目が直角二等辺三角形の辺の長さです。正方形を対角線で二等分した形状(内角が45度・45度・90度)であり、辺の比率は「1:1:$\sqrt{2}$」です。直角を挟む2辺の長さが等しく、斜辺はその長さの $\sqrt{2}$ 倍(約1.414倍)となります。例えば、直角を挟む2辺が 10cm であれば、斜辺は $10\sqrt{2}\text{cm} \fallingdotseq 14.14\text{cm}$ です。
これらに加え、現場で重宝されるのが整数だけで構成される「ピタゴラス数」です。代表的な組み合わせを以下の比較表に整理しました。