目の前にいる羽アリが「木造住宅を食害するシロアリ」なのか、それとも「木材を食べない黒アリ」なのかを冷静に区別することが、その後の初動を左右します。名称に「アリ」と付くものの、生物分類学上、シロアリはゴキブリ目に属し、黒アリはハチ目に属する全く別の昆虫です。
肉眼やスマートフォンの拡大カメラで判別できるシロアリと黒アリの見分け方は、以下の3つの身体的特徴に集約されます。
- 胴体のくびれ:シロアリは胸部と腹部に境目がなく寸胴(ずんどう)型。黒アリは腰の部分がキュッと細くくびれている。
- 翅(はね)の形状と長さ:シロアリは前翅と後翅の大きさがほぼ同じで、胴体よりはるかに長い。黒アリは前翅が後翅よりも明らかに大きく、翅脈が明瞭。
- 触角の形状:シロアリは数珠(じゅず)状でまっすぐ伸びる。黒アリは「くの字」型に途中で折れ曲がっている。
日本国内で住宅に甚大な被害をもたらす代表格はヤマトシロアリとイエシロアリの2種です。特にイエシロアリは乾燥した木材にも自ら水を運びながら食害を進めるため、被害が屋根裏にまで及び、梁や柱を空洞化させて耐震強度を致命的に損なう危険性があります。