高力ボルトとは?普通ボルトとの決定的な違いと摩擦接合の全貌

高力ボルトとは?普通ボルトとの決定的な違いと摩擦接合の全貌

高力ボルトとは?普通ボルトとの決定的な違いと摩擦接合の全貌についての最新情報を徹底解説します。

Q1:高力ボルトと普通ボルトは見た目でどうやって見分ければいいですか?
A1:最もわかりやすい識別点はボルトの頭部と刻印です。トルシア形(S10T)は頭部が丸くボタンのような形状をしています。六角形ボルトの場合でも、高力ボルト(F10T)の頭部には「F10T」という強度区分を示す浮き出し文字が刻印されています。また、表面が黒色酸化皮膜で覆われたマットな黒色であることが一般的です。一方、普通ボルトは光沢のある銀色の亜鉛めっき処理が施されていることが多く、頭部刻印も「4.8」などの強度の低い記号になっています。

Q2:一度締め付けた高力ボルトは、緩めて締め直すことができますか?
A2:原則として再使用は一切認められていません。高力ボルトは一度本締めを行うと、塑性変形に近い領域まで強力に引き伸ばされており、ネジ部の摩耗や表面皮膜の剥離によってトルク係数値が初期状態から大きく狂ってしまいます。本締め後に取り外したボルトや、ピンテールが途中で折れてしまった不良ボルトは、直ちに現場から撤去して新品のボルトセット(ボルト・ナット・座金)に全交換することがJASS 6等の共通仕様書で義務付けられています。

Q3:雨の日でも高力ボルトの本締め作業は行えますか?
A3:雨天時やボルトが濡れている状態での本締め作業は原則禁止です。ネジ部や座金との接触面に雨水が浸入すると、締め付け時の摩擦抵抗が低下し、トルク係数値が大幅に変動します。その結果、トルシア形ボルトではピンテールが折れる前に過大な張力がかかってボルトが伸びきってしまったり、逆に正規の軸力が入る前に破断してしまう事故に直結します。現場では接合部をシート等で完全に雨養生し、完全に乾燥していることを確認してから作業を実施します。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。