気象情報で「熱帯低気圧が接近中」や「台風のたまごが発生」といった表現を見かけることがありますが、気象学的な定義はどうなっているのでしょうか。
結論から言うと、台風は「熱帯低気圧の仲間」であり、両者の違いは風の強さ(最大風速)だけです。気象庁の国際基準に基づき、北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17.2m/s(34ノット、風力8)以上に達したものを「台風」と呼びます。
民間の気象予報やメディアでよく使われる「台風のたまご」というフレーズは、正式な気象用語ではありません。海面水温が高い熱帯海上で熱帯擾乱(渦を巻き始めた雲の塊)や、最大風速が17.2m/s未満の初期段階にある「熱帯低気圧」のことを、注意喚起のために親しみやすく表現した俗称です。熱帯低気圧の段階でも大量の水蒸気を含んでいるため、大雨災害を引き起こす能力は十分にあります。