アブの襲撃を受けた際、秒単位の初動が生死や重症化の分かれ道となる。最優先すべきは、傷口からアブの唾液成分を物理的に排除し、局所の炎症反応を最小限に食い止めることだ。
流水があれば、患部を指で強く押し出しながら最低でも数分間、冷水で徹底的に洗い流す。アブの唾液に含まれる抗凝血成分やヒスタミン様物質は、熱に弱く水溶性であるため、物理的な洗浄と絞り出しが驚くほど効く。このとき、口で直接毒液を吸い出してはならない。口腔内の微細な傷から毒素や雑菌が侵入し、口元が腫れ上がる二次被害を招くだけだ。
洗浄後は即座に保冷剤や氷嚢で患部を冷却する。血管を収縮させて毒素の拡散を遅らせ、神経の興奮を麻痺させることで、初期の激痛を劇的に和らげることが可能だ。