住宅の耐用年数において、外壁本体よりも遥かに早いペースで劣化を迎えるのが目地部分です。一般的な建売住宅や普及価格帯のサイディング外壁において、外壁目地シーリング寿命は新築から約5〜8年で初期の硬化が始まります。雨風や紫外線に絶えず晒される過酷な環境下で、樹脂に含まれる可塑剤(弾性を保つ油分)が抜けていくためです。
劣化の進展は段階的に現れます。第1段階が表面の細かなひび割れやチョーキング(粉吹き)、第2段階が中央部の破断や弾性の完全な喪失、そして最終段階がサイディング小口からの「界面剥離(目地の隙間化)」です。この隙間を放置すると、豪雨時に雨水がサイディング裏側の防水透湿シートや胴縁へ直接侵入し、構造木材の腐朽や白蟻の発生を招きます。住宅診断の現場取材でも「外壁塗装自体はまだ艶があるのに、目地が裂けて雨漏り予備軍になっていた」という事例が頻発しています。
一方、室内環境において問題となるのが水回りシリコンコーキング劣化です。ユニットバスの角やキッチンのシンク周りでは、湿気と皮脂汚れを栄養源として黒カビがコーキング内部深くまで菌糸を伸ばします。表面を漂白剤で拭き取っても落ちない変色や、端部がペラペラと浮き上がった状態は防水シールの破綻を意味しており、床下や壁内への漏水を防ぐためにも早期の打ち替えが求められます。