北九州市小倉北区金田に所在したJCHO新小倉病院は、1952年に「小倉船員保険病院」として開設されて以来、半世紀以上にわたって北九州の産業と市民生活を支える拠点病院として機能してきました。2014年に全国57病院を束ねる「独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)」の傘下へ移行後も、内科・外科・整形外科・産婦人科・健診センターなど多面的な診療を展開していました。
しかし、医療従事者の偏在や働き方改革に伴う医師確保の難航、近隣の大規模病院への患者集中が徐々に病院運営を圧迫します。厚生労働省が推進する「地域医療構想」の波の中で病床のあり方が議論され、病床数の縮小や診療機能の制限が段階的に進められました。
2026年代に入ると事業譲渡を含めた民間医療法人への継承公募が模索されたものの、施設老朽化の改修コストや採算性の懸念から交渉は難航。結果として受け入れ先が決まらず、外来・入院診療の休止措置が取られることとなりました。現在、同施設での一般診療は行われておらず、地域の医療機能は周辺の公立・民間病院へと完全に分散・移行しています。