柳月堂の最大の特徴は、エントランスを境にして「音楽鑑賞室」と「談話室」という全く性質の異なる2つのフロアに分かれている点です。初訪問者が戸惑わないよう、まずは両空間の明確な違いを比較データで整理しました。
扉をくぐると店員から「鑑賞ですか、お話ですか?」と尋ねられます。ここで「鑑賞です」と答えると、重厚な防音扉の先にある鑑賞室へと案内されます。
鑑賞室でのルールは明快かつ厳格です。「私語は一切禁止」。ヒソヒソ話や相槌すら許されません。それだけでなく、コートを脱ぎ着する際の衣擦れの音、ビニール袋のカシャカシャという摩擦音、ボールペンのノック音、スマートフォンのバイブレーション音に至るまで、徹底的な配慮が求められます。客席はすべて正面の音響システムに向かって整列配置されており、客は運ばれてきたコーヒーを静かに口に運びながら、目を閉じて音の波に身を委ねます。