全国の高校現場で学ランの減少理由として最も大きく作用しているのが、LGBTQ+をはじめとする性的マイノリティの生徒への配慮と、男女共通の「ジェンダーレス制服(スラックス・スカート自由選択制)」の急速な普及です。
従来の「男子は学ラン、女子はセーラー服」という厳格な性別二元論に基づく制服体系では、性自認と異なる服装を強いられる生徒に深刻な心理的負荷をかけていました。文部科学省が性同一性障害に係る児童生徒へのきめ細かな対応を求めて以降、全国の公立・私立高校で制服の見直しが一気に加速しました。ブレザーであれば、男女で同じデザインのジャケットを採用し、ボトムスにスラックスやスカート、ネクタイやリボンを性別に関係なく自由に選べる体制を構築しやすくなります。
さらに、大手学生服メーカーであるカンコー学生服(菅公学生服)やトンボ学生服の調査データによると、新設校や制服を全面リニューアルする高校の約9割以上がブレザータイプを採用しています。制服改変は単なる服装の変更ではなく、学校側が「生徒の多様性を尊重し、時代に即した教育環境を整えている」という積極的なメッセージを打ち出すための重要な学校ブランディングとして機能しているのが現状です。