歌詞を深く読み解く上で避けて通れないのが、浜崎あゆみと母親との関係性です。幼少期に父親が家庭を去り、家計を支えるために忙しく働きに出ていた母親の姿を見て育った彼女は、寂しさを押し殺して幼少期を過ごしました。
「いつも強い子だねって言われ続けてた / 泣かない事で気丈に振る舞っていた」という歌詞には、親に心配をかけまいと無理に大人びた態度をとっていた少女の痛々しい我慢が克明に描かれています。甘えたい盛りに甘えることができず、褒められるために「強い子」を演じ続けなければならなかった心の歪みは、成長とともに深い孤独へと姿を変えていきました。
母を愛しているからこそ憎み、求めながらも拒絶してしまう――そうした複雑なアンビバレンス(両価感情)が、「A Song for ××」という祈りにも似たリリックへと昇華されているのです。