そもそも、なぜゆうちょ銀行には1つの口座に対して2系統の番号体系が存在するのでしょうか。この疑問を紐解くには、2009年1月に実施された「全銀システム(全国銀行データ通信システム)」への接続という歴史的背景を理解する必要があります。
かつての郵便貯金時代から、ゆうちょの口座は「記号5桁+番号最大8桁」という独自体系で管理されていました。しかし、三菱UFJ銀行や三井住友銀行といった一般の民間金融機関からゆうちょ口座へ直接送金できるようにするためには、全国の銀行が共通で使用している「3桁の支店コード(店番)+7桁の口座番号」という全銀フォーマットに合わせる必要が生じたのです。
そこで導入されたのが、独自の読み替えルールです。
- 記号(5桁)の役割:先頭の「1」は通常貯金を指し、中間の2桁・3桁目が地域や支店ブロックを表すコード(マルチコード)として機能します。
- 振込用店名・店番への変換:記号の2桁目・3桁目の数字に「8」を足した3桁が「店番」となり、それをそのまま漢数字で読んだものが「店名」になります(例:記号が「101xx」の場合、01に8を添えて店番は「018」、店名は「〇一八」)。
- 口座番号の7桁変換ルール:通常の口座番号(通常貯金)は末尾が「1」で終わる8桁構成になっていますが、振込用口座番号にする際は末尾の「1」を切り捨てて7桁に圧縮します。
この記号番号と振込用口座番号の違いを把握していない受取側が、「他行から振り込んでもらうための7桁番号」を誤ってゆうちょ利用者同士の取引でも伝えてしまうことが、全国的な混乱の主因となっています。