日本海から吹きつける強風と塩分を含んだ潮風。これらは長年、灯台の石材を蝕んできた。特に近年の夏場における海水温の上昇は、日本海側にこれまで以上の勢力を持つ台風をもたらしている。波しぶきが直接灯台の基部に叩きつけられる光景は、もはや珍しくない。
イギリス人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計による堅牢な造りも、自然の猛威の前にはメンテナンスのアップデートを迫られている。外壁に使われている徳山産の御影石は頑丈だが、石と石をつなぐ目地のモルタル劣化が内部への雨水浸入を引き起こす。歴史的価値を損なわずに補修を行うため、伝統的な左官技術と現代のナノテクノロジーを融合させた特殊な修復材の開発が進められている。