モスクは美術館やテーマパークではなく、信徒が1日5回の礼拝(サラー)を捧げる神聖な信仰の場です。一般見学が許可されている施設であっても、最低限のモスク見学マナーとモスク服装ルールを遵守しなければ、周囲の礼拝者に深い不快感を与えてしまいます。
取材班が現場で確認した「見学者が見落としがちなNG行動」と、絶対に守るべき規律は以下の通りです。
- 肌の露出を極力避ける(男女共通):半ズボン、タンクトップ、ミニスカート、ダメージジーンズなどは厳禁です。男性も膝丈以上の短パンは避け、長ズボンを着用してください。
- 女性のスカーフ着用:女性は髪の毛とデコルテ(首元)を覆い隠すためのスカーフ(ヒジャブ)の着用が義務付けられています。東京ジャーミイなどでは貸出用スカーフも用意されていますが、持参したストールを入口で巻くのがスマートです。
- 靴を脱いで上がる:礼拝室は一面に清潔な絨毯が敷き詰められています。入口の下駄箱で靴を脱ぎ、裸足または清潔な靴下で入場します。
- 礼拝者の前を横切らない:信徒が礼拝(お祈り)をしている際、その正面を横切る行為は重大なマナー違反です。イスラムの教えでは、礼拝者と神との間の祈りの空間を遮ってはならないとされています。
- 撮影の許可とプライバシー配慮:堂内の装飾や建築の撮影は許可されている場合が多いですが、礼拝中の人物の顔を正面から無断撮影したり、大声で話し合ったりする行為は固く禁じられています。
特に注意したいのが、毎週金曜日の正午過ぎに行われる「金曜合同礼拝(ジュムア)」の時間帯です。多くのムスリムが一堂に会して祈りを捧げるため、東京ジャーミイや名古屋モスクでも金曜昼前後は一般見学の立ち入りを制限するエリアが設けられます。静かに建築や雰囲気を楽しみたい場合は、平日の午前中や午後の祈りの合間を狙うのが賢明です。