恵方巻きの中身として「7種類の具材を入れる」という習慣は、室町時代から江戸時代にかけて庶民の間で親しまれた「七福神(大黒天、恵比寿、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋)」の信仰に由来しています。7つの福を巻き込み、「福を巻き込んで食べる」「縁を切らないために包丁を入れず丸ごと食べる」という意味合いが込められています。
地域や家庭によって多少のバリエーションはあるものの、日本の伝統的な太巻き寿司で用いられる代表的な7種類の具材と、それぞれの象徴的意味は次の通りです。
1. かんぴょう(長寿・細く長く生きる)
細長い形状から「長寿」や「縁を長く保つ」ことを願う代表的な具材です。江戸時代から寿司の必須食材として重宝されてきました。
2. 椎茸煮(元気・健康・傘で身を守る)
古くから神仏への供物とされてきた椎茸は、傘を広げた形状が陣笠や番傘を連想させ、「災厄から身を守る」という意味を持ちます。また、滋養強壮の象徴でもあります。
3. 玉子焼き・伊達巻(金運上昇・学業成就)
鮮やかな黄色が黄金や小判を連想させるため、「金運アップ」の象徴です。伊達巻を使う場合は、巻物の形状から「学問成就」「文化の発展」を願う意味も付加されます。
4. うなぎ・穴子(出世・上昇気流)
水流を昇る蛇や龍になぞらえ、「立身出世」や「運気の上昇」を意味します。長い姿からかんぴょう同様に「永続的な繁栄」の願いも重ねられています。
5. 海老(不老長寿・健康)
腰が曲がるまで長く生きるという「長寿の象徴」であり、加熱すると紅白になることから慶事に欠かせない縁起物です。目玉が飛び出ていることから「めでたし」の語呂合わせも含まれます。
6. 桜でんぶ(邪気払い・春の訪れ)
鯛やタラなどの白身魚をほぐして紅色に染めた桜でんぶは、めでたい紅白の「紅」を表し、立春を迎える節分の「春の兆し」と「魔除け」を意味します。
7. きゅうり・三つ葉(青竹の成長・商売繁盛)
みずみずしい緑色が生命力を表します。きゅうりはその名前から「九の利を得る(キュウリ)」という語呂合わせで商売繁盛の縁起物とされてきました。