彼女の歩みを語る上で避けて通れないのが、人気絶頂期に突如見舞われたパニック障害との闘いです。自著『タネ。』や過去のドキュメンタリー特番の告白によると、発症は2000年代初頭、過密スケジュールがピークに達していた20代前半のことでした。連日睡眠時間は2〜3時間、分刻みでロケや収録が続く中、ある日突然、激しい動悸と過呼吸に襲われ、身体が鉛のように動かなくなるという事態に見舞われます。
そこから始まった療養生活は、およそ13年間という気の遠くなるような長きにわたりました。最悪の時期には自室のカーテンすら開けられず、ベッドからトイレに行くことすら這うようにして移動し、入浴も数週間に一度がやっとという、極限の引きこもり状態を経験しています。「自分が自分でなくなっていく恐怖」「周囲に取り残されていく焦燥感」に苛まれ、一時は生きることそのものを諦めかけたと、本人は当時の手記で生々しく吐露しています。
快方へと向かう契機となったのは、焦ることをやめ、「1日1ミリでも前に進めれば良い」と目標のハードルを極限まで下げたことでした。まずはパジャマから普段着に着替える、玄関のドアを開けて外の空気を吸う、郵便ポストまで歩いてみる、といったスモールステップを年単位で重ね、地道なリハビリを完遂。この壮絶な実体験があるからこそ、現在の彼女の言葉には、机上の空論ではない圧倒的な説得力が宿っています。