SNSを通じた心理操作は、理論上の脅威ではない。Netflixが配信した調査ドキュメンタリー『グレート・ハック: SNS史上最悪のスキャンダル』が白日の下に晒したケンブリッジ・アナリティカ事件は、個人の行動データをもとに有権者の恐怖心を精密に刺激し、選挙結果すら書き換えられる現実を証明した。
特にX (旧Twitter)をはじめとするリアルタイム短文投稿プラットフォームでは、コンテクストを削ぎ落としたセンセーショナルな断片情報が秒単位で拡散する。感情を激化させる短文と、文脈を無視した動画の切り抜き。それらがタイムラインを埋め尽くすとき、ユーザーは「自分が能動的に情報を精査している」と思い込みながら、実際にはアルゴリズムによって調教された思考のレールの上を走らされているに過ぎない。