一大プロジェクトゆえに、区民やネット上での受け止め方は一様ではない。SNSや地域コミュニティの掲示板等に寄せられる反応を分析すると、大きく「機能向上への期待」と「下町情緒の喪失への惜別」という2つの感情に分かれている。
ポジティブな意見として目立つのは、駅直結化による利便性向上への歓迎だ。「現在の庁舎は駅から遠く、夏場や雨の日の来庁が億劫だった」「分散していた窓口がワンフロアで完結するなら手続きが圧倒的に楽になる」「災害時の備えとして最新スペックの庁舎になるのは心強い」といった、実用面や防災面を評価する声が多数を占める。
その一方で、ネット上や地元住民から根強く発信されているのが、立石特有の文化に対する愛着だ。立石といえば「呑んべ横丁」をはじめとする昭和レトロな立ち飲み文化の聖地として全国的に知られてきた。「整然とした近代的なタワービルになることで、下町ならではの人間味や賑わいが失われてしまうのではないか」という喪失感を訴える声は今なお少なくない。さらに、多額の公費が投じられる再開発事業に対する財政負担への懸念も散見され、利便性と歴史的景観のバランスをめぐる議論は現在進行形で続いている。