暗記シートで文字が見えなくなる現象には、光の波長と「補色関係(反対色)」が深く関係しています。
人間が色を認識できるのは、物体が反射した特定の波長の光が目に届いているためです。緑シートは「緑色の光の波長だけを透過し、それ以外の波長(特に反対側に位置する赤系の波長)をカットする」という光学フィルターの性質を持っています。
白地に赤ペンで書いた文字に緑シートを被せると、赤インクから反射される赤色の光は緑シートにすべて吸収・遮断されます。その結果、目には光が届かず、赤色の部分だけが「光のない状態=黒」として知覚されます。これが、赤やピンクの蛍光ペンで塗った箇所が黒い帯になって文字を隠す科学的な原理です。
逆に、緑のペンで書いた文字は緑の光を反射するため、シートを通過して目に届きます。しかし、周囲の白い紙も緑シートを通すことで緑色に見えるため、文字と紙のコントラスト(明暗差)がなくなり、結果として「文字が消えた」ように知覚されます。