日本語では「jail」も「prison」も一括りに「刑務所」と翻訳されるケースが目立ちますが、英米の法制度、特にアメリカ司法において両者は明確に分掌されています。現地の法執行機関や法廷ニュースでは、この2語を混同して報道することはまずありません。
最大の違いは、「被疑者の裁判ステータス」と「拘禁される刑期」にあります。アメリカ司法統計局(BJS)の定義に基づくと、Jail(拘置所・郡刑務所)は主に裁判を待つ身柄拘束者や、宣告刑が1年未満の比較的軽い罪(軽罪:misdemeanors)を犯した受刑者を収容します。運営主体も各郡(カウンティ)の保安官事務所や基礎自治体です。
これに対し、Prison(州刑務所・連邦刑務所)は、裁判で有罪判決が確定し、1年以上の実刑判決を受けた重罪犯(重罪:felonies)が服役する国家または州の大規模更生施設を指します。
したがって、「容疑者が逮捕された」段階で口にするフレーズとしては「He went to jail」が事実に即しており、判決確定前に「He went to prison」と表現するのは法理上誤りとなります。