本作の強靭な楽曲強度は、名だたるボーカリストたちによるカバーの歴史によっても証明されています。オリジナルの茉奈佳奈版、そして竹内まりや自身のセルフカバーにとどまらず、多種多様な解釈が生まれました。
【主なカバーアーティスト一覧】
- 茉奈佳奈(2009年):楽曲のオリジナル。姉妹の澄んだユニゾンと初々しいハーモニーが、ドラマの感動とともに青春の息吹を伝える。
- 玉置浩二:類まれな歌唱力と魂の叫びともいえる表現力で、人生の哀切と生命の躍動を極限まで引き出した名演。
- 平原綾香:クラシックに裏打ちされた豊かな低音と圧倒的な声量で、祈りにも似た厳かなスケール感を描き出す。
- JUJU:都会的な洗練と切なさを織り交ぜ、大人の女性が人生の歩みを振り返るような繊細なアプローチ。
- 島津亜矢:ジャンルを凌駕する圧巻の歌唱技術で、一語一語に宿る言霊を力強く観客の胸へ届ける。
- 薬師丸ひろ子、クリス・ハート、森山直太朗、林部智史:それぞれの声質が持つ固有のぬくもりを活かし、祈りの歌としての普遍性を証明。
中でも、2012年に竹内まりやがセルフカバーを決断した経緯は特筆に値します。当初は提供曲として一線を引いていたものの、ファンからの「まりやさんの声で聴きたい」という熱烈な手紙が長年届き続けたこと、そして自身が年齢を重ねる中で「今こそ自分の言葉として歌うべき時が来た」と確信したことがきっかけでした。アルバム『TRAD』に収録され、全国ツアー『souvenir 2014』で披露された彼女の歌声は、人生の酸いも甘いも噛み分けた母のような包容力に満ちており、楽曲に決定的な完成形をもたらしました。