従来の乳液は、水分と油分を界面活性剤で乳化させ、肌表面に強固な油膜を作ることで水分の蒸散を防ぐアプローチが主流でした。そのため「さっぱりタイプ」と銘打たれた製品の中には、単に油分を減らしてエタノール(アルコール)を多めに配合し、揮発時の清涼感でごまかしているものも散見されました。その結果、塗った直後は爽快でも、時間が経つと乾燥してつっぱり感を覚えるケースが多かったのです。
近年の処方開発は劇的な進化を遂げています。さっぱりなのに潤う決定的な理由は、基剤の微粒子乳化技術と高機能水溶性保湿成分の配合バランスにあります。スクワランやホホバ油などの軽やかな植物性オイルをナノレベルで微細分散させ、肌表面のべたつきを残さず角層の隙間へ素早く浸透させる設計が標準化しました。
さらに、ヒアルロン酸Naや加水分解ヒアルロン酸、天然保湿因子(NMF)を構成するアミノ酸類、ヒト型セラミド類似成分といった「水分を抱え込む成分」を高密度に配合することで、油膜に頼らずとも肌の内側の保水力を高める処方がプチプラ価格帯で実現しています。これにより、塗布後の肌表面はサラサラとしたシルキータッチでありながら、指で押すと内側から押し返すようなみずみずしいハリ感が持続します。