「日本には人種差別やヘイトクライムは存在しない」という見方は、現場の取材事実と真っ向から矛盾します。国内でも特定のルーツや属性を持つコミュニティを標的とした深刻な犯罪が複数発生しています。
象徴的な事例として知られるのが、2021年に京都府宇治市の在日コリアン集落で発生した「ウトロ地区放火事件」です。犯人の男は「韓国人が嫌いだった」「地区の歴史資料館建設を阻止したかった」と供述し、住宅や展示予定資料など7棟を全半焼させました。裁判所は判決で「偏見や差別に基づく犯行」と明記し、懲役4年の実刑判決を言い渡しています。
他にも、在日本大韓民国民団(民団)施設や朝鮮学校への脅迫状送付、器物損壊、さらには外国ルーツの住民や性的マイノリティに対する街頭・ネット上での付きまといなど、物理的・心理的被害は後を絶ちません。
SNSやネット掲示板の反応を検証すると、当事者層からは「いつ自分が襲われるか分からない」「日常生活の安心が奪われている」という切実な恐怖が投稿されています。一方で、ネット上の一部コミュニティでは「被害の誇張だ」「処罰を強化すると日本人が不当に処罰される」といった誤った認識に基づく言説が拡散され、被害の矮小化を招く要因となっています。