山口百恵さんの家族構成は、母・正子さんと妹・淑子さんの3人暮らしでした。実父からの十分な養育費が得られない中、母の正子さんは内職や洋裁の仕事を昼夜問わず掛け持ちし、女手一つで2人の娘を育て上げました。
百恵さんは横須賀で過ごした少女時代、風呂なしのアパートで家計を助けるために幼い頃から新聞配達の手伝いをするなど、貧困と隣り合わせの生活を経験しています。「家を楽にさせたい」「母に恩返しがしたい」という強い思いが、1972年にオーディション番組『スター誕生!』へ応募する原動力となりました。
父親という存在の無責任さと、身を粉にして愛情を注いでくれた母親の献身。この対比が、百恵さんの精神的な自立心を育み、初期のヒット曲に見られるどこか影のあるミステリアスな表現力へと結実していったのです。