岩手の方言には、言葉の響きが標準語の別の意味と重なることで、相手をギョッとさせてしまうフレーズが存在します。その筆頭が「こわい」と「だから!」の2大巨頭です。
体調不良や激しい運動の後に発せられる「ああ、体がこわい」という表現。標準語の感覚では「何かに恐怖しているのか」と受け取られがちですが、岩手弁における「こわい(身体がこわい)」は「疲れた、身体がだるい、凝っている」という意味を持ちます。古語の「強い(こわい=強張っている)」に由来する由緒正しい表現ですが、事情を知らない他県民を大いに困惑させます。
さらに日常会話のトラブルメーカーとなりがちなのが、強い同意を表す「だから!」です。相手の話に心から共感した際、「そうそう!全くその通り!」というニュアンスで「だからー!」「だからさ!」と前のめりに返答します。しかし、標準語圏の人間にとっては「だから何?」「早く結論を言え」と怒られているように聞こえてしまい、険悪な空気になりかけることも珍しくありません。悪気は一切なく、「最上級の同意」を示しているに過ぎないのがこの言葉の真相です。