裏ワザを試してもトゲの先端がわずかに届かない場合、最終手段として針を用いることがあります。ただし、これは「トゲをほじくり出す」ためではなく、トゲの出口を塞いでいるごく薄い角質層の膜にだけ微小な切れ目を入れるための作業です。
何よりも厳守すべきは器具の滅菌です。ライターの炎で針先を炙る手法が古くから知られていますが、実はススが付着して炭素粒子が傷口に入り込み、「外傷性刺青(皮膚に黒い色素が沈着して消えなくなる現象)」を引き起こすトラブルが多発しています。ライターを使う場合は先端ではなく青い内炎の部分を数秒かざし、冷ましてから消毒用エタノールでススを完全に拭き取らなければなりません。
最も推奨される手順は、市販の消毒用エタノール(濃度70〜80%)に針先を浸すか、アルコール綿で針全体と患部の皮膚を念入りに消毒することです。作業時は明るい昼光色LEDライトを斜め45度の角度から当てると、トゲの影が皮膚の下でくっきりと浮き上がります。針先を深く突き刺すのではなく、トゲの頭を覆う角質を横方向に優しくなぞるようにして「道」を作り、露出したトゲの先端を精密ピンセットで平行に引き抜きます。