組織社会学および情報防衛の観点から見ると、公安組織の活動は「社会の平穏を保つための不可欠な免疫機能」であると同時に、「秘密主義と権力乱用のリスクを常に孕んだ諸刃の剣」でもあります。
過去には違法な盗聴事件や冤罪事件をめぐって公安捜査の密室性が司法や国会で批判を浴びた歴史があります。しかし、サイバー攻撃や重要インフラへの工作、先端技術の流出が国家の命運を左右する現代において、インテリジェンスの重要性はかつてないほど高まっています。
民間企業や学術機関に属するビジネスパーソン・研究者にとって、公安の存在はもはや「遠いドラマの世界の話」ではありません。知らず知らずのうちに外国機関の接触工作(情報搾取)のターゲットにされたり、機密情報漏洩の媒介者にされたりするリスクが存在します。自身の扱う情報の重要性を自覚し、不用意な接触や不透明な資金提供に対して防諜(カウンター・インテリジェンス)意識を持つことこそが、現代社会を生きる上で必須のリテラシーといえます。