「天然由来だからどれだけ飲んでも安全」という認識は危険な誤解です。無塩トマトジュースには強力な健康効果がある反面、体質や持病によっては厳重な管理が求められるリスクが存在します。
最も留意すべきは腎機能低下時における「カリウム」の過剰摂取です。無塩トマトジュース200mlには、一般的な生野菜を遥かに上回る約500〜600mgものカリウムが含まれています。正常な腎臓であれば余剰なカリウムは尿中に排出されますが、慢性腎臓病(CKD)などで腎機能が低下している場合、体内にカリウムが蓄積し、不整脈や心停止を引き起こす「高カリウム血症」を誘発する恐れがあります。腎疾患を指摘されている方は、必ず主治医に摂取可否と上限量を確認してください。
また、糖質とカロリーの蓄積による体重増加も見落とされがちな落とし穴です。食塩無添加であっても、200mlあたり約35〜40kcal、糖質は約7〜8g含まれています。「体に良いから」と水分補給代わりに1日1リットル近くガブ飲みしてしまうと、約200kcal(ご飯小盛り1杯分弱)の余剰エネルギーと約40gの糖質を無意識に摂取することになり、ダイエットどころか肥満の原因となります。
さらに、トマトに含まれるクエン酸やリンゴ酸などの有機酸は、胃酸分泌を刺激します。逆流性食道炎の既往がある人や胃腸が冷えやすい体質の人が空腹時に冷たいジュースを多量に流し込むと、胃痛や下痢を引き起こす要因となります。胃腸がデリケートな場合は、電子レンジで500W・1分程度温めた「ホットトマトジュース」にして飲むのが胃への負担を減らす賢明なアプローチです。