初来訪の客がほぼ例外なく注文するのが、店の代名詞でもある「三浜丼(さんぴんどん)」です。三浜とは、地元茨城の沿岸地域である「平磯・磯浜・大洗」の総称であり、黒潮と親潮が交差する豊かな鹿島灘・常磐沖の恵みを一杯の丼に凝縮した逸品です。
運ばれてきた瞬間、誰もが思わず目を見張るのがその立体感です。マグロの中トロ、赤身、肉厚なホタテ、タイ、カンパチ、甘エビ、イクラ、ウニ、そして季節の地魚が丼の縁をはみ出して重なり合い、白米にたどり着くことすら困難なほどの密度を誇ります。2026年現在の価格改定を経てもなお、2,000円台後半から3,000円前後の値付けで提供されており、都市部なら5,000円を超えてもおかしくないネタの質と量を考慮すれば、実質的な満足度は極めて高いと言えます。
また、秋冬シーズン(11月〜3月頃)に訪れるなら見逃せないのが、茨城の冬の味覚の王様であるあんこう鍋です。みはるで提供されるあんこう鍋は、身や皮、エラ、卵巣などのいわゆる「七つ道具」を惜しみなく使い、濃厚な肝を溶かし込んだ特製の味噌仕立てで供されます。臭みが一切なく、コラーゲンたっぷりのぷるぷるした食感と肝の芳醇なコクが野菜の甘みと調和する味わいは、遠方からわざわざ足を運ぶ価値がある看板料理の一つです。