「交番に住んでいる」と誤解されるもう一つの、そして最大の原因が交番と駐在所の違いを把握していない点にあります。どちらも街の治安を守る最前線ですが、その運用思想と建物の構造は根本から異なります。
全国の警察施設を見渡すと、都市部を中心に展開するのが「交番(KOBAN)」であり、主に農山村や離島、ベッドタウンの郊外に配置されるのが「駐在所(RESIDENTIAL POLICE BOX)」です。警察庁の公式データによれば、全国約1万2000カ所の地域警察拠点のうち、交番と駐在所の比率はおおむね拮抗しています。都市部生活者には馴染みが薄いものの、地方では警察施設といえば駐在所を指すことも珍しくありません。
両者の決定的な差異を把握するために、交番と駐在所の見分け方も含めて下表に整理しました。
表を見れば明らかなように、外観から生活臭がにじみ出ており、ベランダに私服の洗濯物が堂々と干され、時には子どもの自転車が置かれている施設は、交番ではなく駐在所です。地域の人々が長年親しみを込めて「お巡りさんの家」と呼んできた建物こそが、住居一体型の治安拠点なのです。