なぜ、多忙な大人が夜な夜な紙を折り続けるのか。その背景には、AIやデジタルデバイスに囲まれた生活による「感覚の飢餓」がある。画面をタップするだけの指先に、紙の温もりや摩擦、折り目を押しつける感覚を取り戻す作業が、極上の癒ややしをもたらしているのだ。
実際に折り紙に没頭する30代のITエンジニアは、「コードを書いている時は頭が高速回転しているが、折り紙の複雑な工程に集中している間は脳が心地よい静寂に包まれる」と証言する。正確に角と角を合わせ、指先でプレスする単純で厳密な動作。これが瞑想(マインドフルネス)と同じようなリラックス効果を生み出している。