黒霧が操る個性「ワープゲート」は、座標さえ把握していれば空間を繋げて他者を自在に転移させられる極めて希少な能力です。しかし、この能力は生まれ持った単一の個性ではなく、人工的に作り出されたハイブリッドでした。
ベースとなったのは、白雲朧が持っていた気体を固形化して雲を生み出す個性「雲(クラウド)」です。ドクター・殻木はこの「雲」に複数の転移系個性や特殊因子を掛け合わせることで、上位互換となる「ワープゲート」を精製しました。黒霧の頭部や身体を覆う不気味な黒いモヤは、かつて白雲が放っていた爽やかな白い雲が歪められた成れの果てだったのです。
さらに黒霧は、通常の思考力を持たない脳無とは異なり、高度な知性と会話能力を持つ「上位の改良型脳無」として設計されていました。その行動原理の根底には「死柄木弔を守る」という強固な命令が刷り込まれており、戦闘員としてだけでなく、死柄木の精神的な保護者・お目付け役としての役割を担わされていました。