「この曲には、理屈抜きで体を揺らす悪魔的なグルーヴが潜んでいる」。今回の制作プロセスについて、越智志帆はそう熱っぽく語る。1986年にKUWATA BANDが放った伝説的なシングル「スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)」。桑田佳祐が構築したブラックミュージックの圧倒的快楽主義に真っ向から向き合うため、彼女はヴォーカル録音において従来のプレイスタイルを根底から見直したという。
舞台裏での挑戦は壮絶を極めた。マイクの距離感から声帯の発声ポイント、ブレスのタイミングに至るまで微細な調整が繰り返された。桑田佳祐が原曲に込めた特有の言葉遊びと粘りつくようなリズム感をリスペクトしつつも、越智志帆は自身の骨太なソウルボイスで楽曲を再定義。原曲の男性的で泥臭いファンクネスを、しなやかかつパワフルな全能感あふれるロックサウンドへと鮮やかに昇華させてみせた。