メインキャストの周囲を固める実力派たちの存在も忘れてはならない。家族を力強く束ねる曾祖母イメルダ役を演じた松雪泰子は、舞台で鍛え上げられた確かな発声と高い歌唱力を披露した。劇中で歌われる名曲「哀しきロローナ」でのソウルフルで気品あふれるボイスパフォーマンスは、映画のクライマックスを大いに盛り上げた。
一方、実在の画家をモデルにした奇天烈な芸術家フリーダ・カーロ役を務めた渡辺直美は、わずかな登場シーンでありながら鮮烈な印象を残した。即興的なギャグ要素を含む複雑な台詞回しを、持ち前のリズム感と声の張りで見事に表現。映画全体にテンポの良いユーモアと色彩を与えている。