五輪のメダルを胸に抱いた彼がすぐさま戻ったのは、名門イェール大学のキャンパスだった。統計学とデータサイエンスを専攻し、プレメド(医学部進学課程)として白衣を着てラボに立つ日々。研究室でがん遺伝子のデータ解析に没頭する姿には、もはや五輪王者のオーラではなく、真摯な学徒の眼差しが宿る。
「スケート靴を脱いでも、自分には学ぶべき世界が無限にある」。インタビューでそう語った通り、名声に安住することなく、医療やサイエンスの領域で社会に貢献しようとする彼の探求心は、現役時代のジャンプへの情熱と寸分違わない。