舞台袖の空気は重い。出番を待つ生徒たちの青白い横顔、震える指先を必死に温めるフルート奏者、そして優しく背中に手を置く指導者の姿がある。山口県吹奏楽連盟のスタッフがテキパキと進行を促すアナウンスの裏で、幾度となく繰り返されたチューニングの最終確認。
本番直前のチューニング室では、予期せぬリードの破損や金管楽器のトラブルに見舞われながらも、仲間同士で励まし合い、笑顔で乗り越えるドラマがあった。ステージへと続く暗い通路を抜けた瞬間、眩い照明とともに彼らの表情は一変する。恐怖を歓喜へと変える覚悟が、あの圧巻のパフォーマンスを支えていたのだ。