本作の原点であり、異色の鬼才として知られるクリス・モリスの存在を抜きにして、この作品の狂気と美しさは語れない。彼が手掛けたのは、単なるお笑い番組の枠組みを完全に解体した過激なブラックコメディだった。
不穏なアンビエント・テクノのレイヤーの上に、常軌を逸した人々の会話が乗せられる独自のスタイル。1990年代後半にBBCラジオ1で放送されたこの伝説的なラジオドラマは、当時の既存メディアに対する痛烈なアンチテーゼであり、同時に音響芸術としての完成度も極めて高かった。深夜3時という奇妙な時間帯にひっそりと流された音像は、不眠症の若者や感鋭いクリエイターたちの脳裏に深く刻み込まれたのだ。