こうした紙の書籍における人気の広がりは、デジタル動画配信サービスの活況とも深く連動している。現在、NetflixやU-NEXTといった大手ストリーミングプラットフォームでは、湊かなえ原作のドラマや映画が空前の再ブームを迎えている。
かつて社会現象を巻き起こした『Nのために』や、親子の歪んだ愛を描いた『母性』といった名作映像コンテンツを、保護者や年上の兄弟と一緒に鑑賞した若年層が「原作を読んでみたい」と本屋へ走るケースが急増している。大人向けの文庫本は漢字や表現のハードルが高いと感じる小中学生にとって、みらい文庫版はまさに絶好の受け皿となっているのだ。映像から活字へ、活字から思考へと広がる体験が、新たな読者層を確実に育んでいる。