ウジが人間の心理に与える強烈な生理的嫌悪は、映画やテレビドラマなどのカルチャーシーンでも極めて象徴的なメタファーとして消費されてきた。スタンリー・キューブリック監督の傑作『フルメタル・ジャケット』では、ハートマン軍曹が新兵たちを徹底的に侮蔑する台詞の中で「蛆虫」という言葉を連呼し、人間性を剥奪された最底辺のメタファーとして観客の脳裏に焼き付けた。
対照的に、科学捜査の知的な面白さを前面に押し出した大ヒット海外ドラマ『BONES (ボーンズ) -骨は語る』では、変わり者の法昆虫学者ホッジンズ博士がウジを愛おしそうに観察し、事件解決の決定打を導き出すバディとして描いている。現在もNetflixやNHKオンデマンドで配信されている数々のサスペンスやドキュメンタリー作品において、ウジは腐敗の象徴から科学的真実を解き明かす鍵へと、その描かれ方を劇的に進化させている。