工藤新一の正体バレは、連載初期から読者の心拍数を跳ね上げさせてきた最大のサスペンス要素です。特に毛利蘭による疑惑の追及は、物語の節目ごとに幾度となく発生してきました。
初期のコミックス3巻におけるメガネを外した顔の既視感、14巻の怪我をした際の血液型の一致、そして25〜26巻「命がけの復活」での決定的な疑惑。この時は阿笠博士の変声機を用いた灰原哀のコナン変装と、一時的な解毒薬による新一自身の登場という「同一空間への二者同時存在」によって切り抜けました。しかし、蘭の直感は常にコナンの正体の本質を突き続けています。
一方で、二人の恋愛関係はすでに決定的な転換点を迎えています。原作第71〜72巻のロンドン・ビッグベン前で、新一は「厄介なんだよオメーは!オメーは厄介な難事件なんだよ!」と熱烈な告白を敢行。さらに第95巻の京都修学旅行編では、蘭が清水寺の舞台で新一の頬にキスをし、メールで「付き合ってるって事で、いいんだよね?」と確認。新一が「付き合ってるに決まってんだろ!」と返答したことで、工藤新一と毛利蘭の現在は正式な「恋人同士」となっています。
しかし、恋人同士になったからこそ、正体を隠し続ける罪悪感とリスクは跳ね上がっています。会えない寂しさを電話で紛らわせる日々が続く中、組織との決着がつくまで本当の姿で抱きしめることもできないという引き裂かれた日常は、物語に切ない影を落とし続けています。