スラックスを洗濯機に投入する前に、絶対に確認しなければならないのが内側にある品質表示タグです。2016年12月に改定された新JIS規格の洗濯表示において、自宅洗いが可能かどうかの基準は極めて明確に分かれています。
タグに「洗濯桶」の記号が記載されていれば洗濯機での水洗いが可能であり、「洗濯桶に手を入れているマーク」であれば40℃限度の手洗い(または洗濯機の弱水流コース)が可能です。一方で、「洗濯桶に×印」が付いているものは水洗い不可を意味し、家庭での洗濯は避けてクリーニング店へ持ち込む必要があります。
素材の観点では、ポリエステル主体の「ウォッシャブルスーツ」は自宅洗いに最も適しています。一方で、ウール100%やカシミヤ・シルク混などの天然繊維は、水に濡れると繊維が絡み合って収縮する「フェルト収縮」を起こしやすく、自宅洗いには高いリスクが伴います。
また、オーダースーツ専門店「ONLY」などのアパレル関係者が指摘するように、上下対のスーツであっても「スラックスだけを洗う」場合は注意が必要です。着用頻度の高いズボンだけを何度も洗っていると、洗っていないジャケットと色調や生地の風合いにわずかな差が生じる懸念があります。これを防ぐためには、「1着のジャケットに対してスラックスを2本揃える(ツーパンツ仕様)」で着回し、全体の消耗バランスを均等に整える戦略が極めて有効です。