『池中玄太80キロ』が遺した昭和の奇跡と西田敏行の魂

『池中玄太80キロ』が遺した昭和の奇跡と西田敏行の魂

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本作を語る上で欠かせないのが、劇中から誕生した名曲の数々です。主題歌および挿入歌として制作された楽曲は、昭和歌謡史に燦然と輝くマスターピースとなりました。

西田敏行さんが歌う『もしもピアノが弾けたなら』(作詞:阿久悠、作曲:坂田晃一)は、もともとパート2の挿入歌として発表された『いい夢みろよ』のB面曲でした。しかし、ドラマ内で玄太の切ない心情に合わせて流されるや否や、視聴者から「あの曲は何か」とテレビ局やレコード会社へ問い合わせが殺到。急遽A面とB面を入れ替えて再リリースされ、ミリオンセラーを記録、第32回NHK紅白歌合戦への出場を果たす大ヒットとなりました。

一方、長女・絵理役を演じた杉田かおるさんが歌う『鳥の詩』も、同じく阿久悠・坂田晃一コンビによって生み出された屈指の名バラードです。思春期の孤独と母親への思慕を歌った透明感あふれる歌声は、ドラマの劇的演出と完璧にシンクロし、40万枚以上を売り上げるロングヒットを記録しました。劇伴とストーリーがこれほどまでに美しく融合した事例は、日本のテレビ史上でも極めて稀有です。

森 瞳
著者

森 瞳

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