一般的な動物園であれば大人数百円から2,000円前後の入園料がかかるのが通例ですが、豊田市の鞍ヶ池公園動物園は開園以来一貫して入場無料を貫いています。この破格の運営が成立している背景には、日本有数の財政基盤を誇る豊田市の都市政策と、官民連携によるスマートな施設マネジメントが存在します。
豊田市は鞍ヶ池公園を「市民の憩いの場」であると同時に、市外からの交流人口を呼び込む中核インフラとして位置づけています。単に税金を投入して維持する旧来型の公共施設運営から脱却し、公募設置管理制度(Park-PFI)を活用してアウトドア大手「スノーピーク」などの民間資本を積極的に誘致しました。民間の収益事業(飲食・物販・宿泊)と公共の無料エリア(動物園・植物園・プレイハウス)を有機的に結合させることで、質の高い展示環境と無料開放の両立を実現しています。
来園者のアンケート調査や取材の声を聞いても、「浮いた入園料の分、園内のカフェで美味しいランチを楽しんだりグッズを買ったりできる」「気兼ねなく何度でも通える」といった声が目立ちます。自治体と民間企業、そして利用者の三者がWin-Winとなる持続可能なレジャーモデルがここに完成しています。