バラエティ番組やネタ番組を見回すと、一口に「メガネをかけている芸人」と言っても、その形状や色調、醸し出すキャラクター性は極めて多種多様です。まずは、視聴者が「顔は浮かぶが名前が出てこない」となりやすい代表的な人気芸人を、男性・女性問わずカテゴリ別に整理して解説します。
まず圧倒的な存在感を放つ男性芸人として挙げられるのが、宮川大輔です。極太のスクエアセルフレームは、彼のトレードマークである絶叫ツッコミや身体を張ったリアクション芸を視覚的に何倍にも増幅させています。また、M-1グランプリ王者である銀シャリ・橋本直の「鮮やかな青メガネ」は、青いスーツとの絶妙なマッチングで、古典的でありながらシャープな上方漫才のツッコミ役を完璧に視覚化しています。
コンビ揃ってメガネをかけていることで強烈な記号性を獲得しているのが、おぎやはぎ(小木博明・矢作兼)や男性ブランコ(浦井のりひろ・平井まさあき)です。男性ブランコは2人揃ってクラシカルなボストン型メガネを着用しており、水族館の飼育員や研究者のような知性とどこかシュールな哀愁を漂わせる独自の世界観を構築しています。さらに、圧倒的な演技力でコント界の頂点を走るシソンヌ・じろうは、演じるキャラクターごとにメガネを自在に変え、時に偏屈な中年男性、時に哀愁漂う女性へと変幻自在に憑依します。
一方、メガネをかけている女性芸人の系譜も見逃せません。知性派メガネタレントの先駆者であるオアシズ・光浦靖子をはじめ、「角野卓造じゃねーよ!」の代名詞的フレーズとともに親しまれるハリセンボン・近藤春菜、ピンクのドレスにエレガントなオーバルメガネを合わせた阿佐ヶ谷姉妹(渡辺江里子・木村美穂)、さらには的確なワードセンスでひな壇を制圧するぼる塾・あんりや、唯一無二の狂気と愛嬌を併せ持つ蛙亭・イワクラなど、女性芸人にとってもメガネは「愛嬌」や「鋭利な批評性」を際立たせる不可欠なアイコンとして定着しています。