検察官によって起訴状が裁判所に提出されると、事件は捜査段階から公判段階へと移り、被疑者は「被告人」へと立場を変えます。この起訴手続きを境に、身柄拘束のルールや防御活動の選択肢は大きく変化します。
被疑者段階での身柄拘束期間は逮捕から最大でも23日間と厳格に制限されていますが、起訴されると「被告人勾留」に移行します。被告人勾留の期間は原則として起訴日から2ヶ月間です。ただし、証拠隠滅や逃亡のおそれがあると裁判所が認めた場合、1ヶ月ごとに勾留が更新される仕組みになっています。
起訴後に初めて可能となる重要な権利が保釈請求です。保釈とは、保釈保証金(いわゆる保釈金)を裁判所に納めることを条件に、裁判判決が出るまでの間、身柄の拘束を一時的に解く制度です。刑事訴訟法上、重大な犯罪(死刑や無期懲役該当事件など)に当たらないことや、証拠隠滅・被害者への威迫のおそれがないことなどの除外事由に該当しなければ、原則として裁判所は保釈を許可しなければなりません(権利保釈)。
司法関係者の統計によると、保釈保証金の金額は被告人の資産状況や事件の重大度に応じて個別に決定されますが、一般的な初犯の財産犯や道路交通法違反などでは150万円から300万円前後に設定されるケースが主流です。保釈金は逃亡や証拠隠滅をせず、期日通りに法廷へ出頭すれば、有罪・無罪にかかわらず裁判終了後に全額返還されます。